【DX推進人財育成コース】第4講を開催しました。

とちぎ経営人財塾第6期のスタートから通算で15回目の講義となる「DX推進人財育成コース」第4講の日を迎えました。
弊社デジタルマーケティングチームリーダー 新井を講師に、「DX推進のための経営者・担当者の心構え」というテーマで開講いたしました。

現状のITシステムの課題は運用と教育

序盤では、前回講義までの学びである守りのDXと攻めのDXのポイントを振り返り、システムの老朽化や少子高齢化による人材不足など、今後確実に起こる環境変化を再確認しました。
序盤のポイントは、年月を経て老朽化した「レガシーシステム」の捉え方です。
近い将来稼働できなくなる古いシステム、担当者やベンダー企業だけが分かるシステム、現代に即していないシステム等をレガシーシステムと呼びますが、古い業務のやり方に囚われた考え方自体もレガシーといえます。
DXは業務全体のあり方を変えることにもつながるため、会社のあり方から考え直して取り組む必要があります。
受講生は自社のシステムについて考え、危機意識を持って真剣な表情で聴いていました。

続いてのディスカッションでは、自社のシステムがレガシーと現代的なもののどちらであるか、また自社のあり方(実現したいこと)に即しているか?
をテーマに意見を出し合いました。
システムの導入状況は様々でしたが、課題が0という受講生はいらっしゃいませんでした。
他社との連携時の問題など、実際の運用面での課題が多く、システムに対応できる人財の不足、教育力の不足もポイントとして上がりました。

チーム、会社全体でDXを自分ごととして捉えていく

中盤では、DXを推進していくために必要な考え方と、仕組み作りを学びました。

DXは必要だからやるべきものであり、目的なしに進めるものではなく、経営戦略なしにはDXを推進することはできません。
また、挑戦への肯定的な空気感や、こうしたらよくなるのではないかといった仮説、検証を大切にする風土があることも推進への大切な考え方です。

他にも、投資に対する考え方のポイントや、DXを行うチームがあるか、頼れる人や手段があるかと言った点が仕組み作りにおいて重要になります。
受講生が終始うなずきながら聴いている様子が印象的でした。

仕組みについては、マネジメント人財育成コースで学んだリーダー論も関わってきました。
まずは自分が推進するという気持ちで進めていくことが大切です。
人財についても社内で育てることが大切であり、関わるチームがブラックボックス化しないことが重要です。
また、ベンダーに一任するのではなく、要件定義書(どういったシステムかを定義するもの)は必ず自社で作る様にすべきとのことでした。

また、導入して終わりではなく、入れた時点ですでにレガシーになり始めるシステムに対して、中長期的な視点を持って対応することが大切です。
最後には複数の失敗例を通して、成功に必要なことを学びました。メモを取りながら聴く受講生も多く、大変参考になったようでした。

自分がDX推進において果たすべき役割

経営幹部、現場担当者、IT推進人財 それぞれの立場としての心構えも学びました。
経営幹部としては、DX全体を束ねる自社の「在りたい姿」を明確に提示し、人財を動かしていくことが大切です。
そのためには自らが引っ張っていくための前提知識も必要となります。

現場担当者としては、自部門の課題を把握し、デジタルを用いた解決策を考えていく必要があります。
その際には自部門だけを見るのではなく全社最適の視点を忘れずに行っていくことが大切です。

IT推進人財としては、全体最適の視点を大切に、システムの選定、導入、運用の推進役を担う必要があります。

最後のディスカッションでは、自社にふさわしい組織体制とその中での自分はどんな役割を果たせるかについて、意見を出し合いました。
受講生の発表の一部をご紹介いたします。

  • 部門ごとに違っているものを調整し、アドバイスする
  • 経営者と現場の緩衝役として、整備し、意見をまとめていく
  • 委員会として組織化し、部門混在で人を巻き込んで実行していく

講義とディスカッションを通して、自分自身ができる具体策について考えることができたようでした。

懇親会では、株式会社八興製作所様と水の谷工藝株式会社様に会社紹介をしていただきました。自社独自の取り組みをご紹介いただき、非常に活気ある懇親会となりました。

今後一層、懇親会での交流を深めていきたいと思います。